賀陽宮邦憲王(かやのみやくにのりおう)の令旨(りょうじ)が出されたのは、明治33年、西暦1900年─今から100年以上前のことです。明治維新以降、わが国は近代国家の建設を急ぎますが、やみくもな近代化は、一方で古来の伝統を否定する風潮をも生み出しました。
このままでは日本本来の良さが失われてしまう、今こそ「皇国ノ道義ヲ講ジ、皇国ノ文学」が修められなくてはいけない、という危機意識がそこに生まれます。 日本の伝統を吸収すると同時に、社会にこれを活かし(「之ヲ実際ニ運用シ」)、"文明"の欠点をカバーできる日本人の育成が求められています。その事情は現代でも変わらないどころか、戦後ますます劣化していると言わざるを得ません。
日本の伝統は神道と総称されますが、その神道が理想としている人間のあり方は、清らかで明るく正しく直き心であることです。ー"清明(せいめい)正直(せいちょく)"な人格と、日本人の精神を備えた国際人の育成 ーそれこそは、本校が変わらず自らに課し続けている命題なのです。